今日から勝手にエッセイストvol.2|心の充電、中から得る人・外から得る人

今日から勝手にエッセイストvol.2|心の充電、中から得る人・外から得る人

 会社のオフサイトミーティングでヨーロッパに行ってきた。ヨーロッパ、アメリカ、アジア・オセアニアの各マーケットから60名ほどのメンバーが集まり、各自の部署について紹介したり、グループワークとして現状の課題を話し合って全体に発表したり、夜はチームアクティビティとして市内を走り回って「宝探し」をしてからパーティーをしたり、かなり濃厚な時間を過ごした。

月曜日に日本を出発して、時差の関係で少々時間が戻り、同日の夜現地に到着。ミーティング自体は火曜日からの3日間。朝食から夕飯まで、休憩時間を含めてとにかく誰かと話している。金曜日の正午、別件でシンガポールまで現地支社の同僚と向かい、土曜日の朝にホテルに到着するまで常に人と接しているような5日間だった。

今はシンガポールのホテルでようやく落ち着いてこの記事を書いているわけだが、朝ホテルに着いた時の気持ちとしては、ただただ疲れ果てて、「充電がからっぽ 」という感覚だった。

慣れない国で過ごすことや、長いフライトから来る疲れなどではなく、とにかく「人と一緒にいること」でエネルギーを吸い取られたのだ。

1人になって、ゆっくりと調べものをしながら記事を書いている時間で自分の中の充電のバロメーターが少しずつ満たされていく感じがする。

 英語では性格を表す表現として「Introvert」と「Extrovert」という単語が使われることがある。直訳すると、それぞれ「内向的」と「外交的」だが、心理学の分野にて、カール・ユングという学者が2つの性格の違いをこう定義している。

Introverts and extroverts could be separated based on how they regain energy.

カール・グスタフ・ユング

違いは、どうやってエネルギーを取り戻すか。

Introvertは1人の時間からエネルギーを取り戻し、Extrovertは社交的な時間からエネルギーを取り戻す。要は、「どこで心の充電をするか」ということだと思う。

Introvertは単純におとなしくて人見知り、Extrovertはおしゃべりで社交的、などと表面的に捉えられがちだが、Introvertが、必ずしも社交的な場所を嫌っているわけではない。

例えば、こんな経験がないだろうか。

友人と遊びに行く約束をしたものの、直前までなんとなく乗り気にならない。行ったら行ったでとても楽しかったけど、2日連続で誰かと会うのはあんまり気が進まない。

このような人は社交性のあるIntrovertといえると思う。社交の場を楽しいと感じるものの、どんなに楽しくても結局そこではエネルギーを消費しているので、また社交できるまでに充電の時間が必要なのだ。

テレビ朝日のアニメ『あたしンち』の中で、主人公のミカンと友人のしみちゃんが夏季講習を受けている時にこんな会話をする回があった。

みかん:「講義も今日で終わって、明日からまた一人の夏休みが始まると思うと、寂しくて」
しみちゃん:「そう?私は一人が好きだな。それにわたしは一人の方がイキイキしているかな?」

これを聞いてみかんは1人でイキイキして過ごすしみちゃんを想像するのだが、いまいちピンと来ていない様子だった。みかんはExtrovertで、しみちゃんはIntrovertという分かりやすい事例だと思う。

SNS上ではキラキラとしたイベントの写真を度々アップしている人。ビジネスの世界ではネットワーキングに励み、たくさんのコネクションを持っている人。就職活動では、よく質問し、「リーダーシップ」の経験がある活発な人。そんな「外交的」な姿が良しとされている風潮があると思う。

オフィスはどんどんオープンな環境になり、学校で1人で本を読んでいる子は心配されてしまう。

今回参加したオフサイトミーティングでも、休憩の15分間に1人でコーヒーを飲んでいると、「せっかくの時間をもっと有意義に使いなさい」と注意された。確かに、会社の経費で集まっているのだから、他の国から来ている同僚と少しでも多く交流することが大切なのは理解できるが、私には少しスペースが必要だった。

100%IntrovertかExtrovertな人はいなくて、みんなどちらかに寄ったライン上にいる訳だが、みかんとしみちゃんのように、心の充電方法が異なる人がいるんだ、と理解することでお互いを尊重することができると思う。

最後は、Introvertを勇気づけるTED Talkで締めくくろうと思う。どちらか一方が良いのではなく、社会にはIntrovertが本来の姿で強みを出すことが必要だ、と訴えるメッセージだ。私は自分の内向的な部分について、もやもやとした気持ちになった時にこの動画を見て、いつも励まされる。

スーザン・ケイン自身が内向的な性格で人前で話すことが得意でないにも関わらず、使命を感じてこうして大勢の前で、違ったタイプの人がいること、そしてそれを尊重することが大切だと主張している姿に心を打たれる。どちらのタイプの人にも見てもらいたい。

IntrovertもExtrovertもありのままで輝けますように。Cheers!